どうしても気になる「川浦ダム」
こんにちは、そるふ♪です。
2ヶ月ほど前(2018年8月19日)に、
岐阜県関市と本巣市の間にある
“幻のダム”と言われている
「川浦ダム(かおれダム)」
に行ってきた時のことを書きます。
何が”幻”なのかというと、
このダムは、中部電力により、ダムまで続く道の入口に、
厳重なバリケードがあり、
関係者以外一切寄せ付けないダムになっています。
一般の方では、なかなか行くことが困難であるため、
“幻のダム”
と言われています。
入口のバリケードから、ダム本体部分までは、
きちんと舗装された管理用道路があるので、
車で走る分には何ら問題ないはずなのですが、
土砂崩れが多い道でもあり、危険であるため、
中部電力が、車両立ち入り禁止にしているらしいです。
ダム好きな私にとっては、
「ん~、なんとしても行ってみたいっ!」
と、欲求を駆り立てられてしまいます。
「なんとか行く方法はないか?」
あれこれ調べて、チャレンジしてみました。
登山として、脇の登山道から
まず、川浦ダムへは、本巣市根尾上大須から向かうことにしました。
管理用道路の入口は、バリケードで封鎖されているので、
あくまで
「登山」
という名目で、管理用道路脇の山の中を入って
ダムに向かうことにしました。
ここから向かいます。
Google Mapで見ると、登山口と思われる階段があります。
実際に私が行った時(2018年8月19日)は、下の写真のような感じでした。
ん~、
階段が少し崩れてしまっています。
でも、一応階段はあるので、中に入って登っていきます。
少し進むと、階段がなくなり、平坦な道に出ますが、かなり細いです。
しかも、左隣は崖です。
写真では分かりにくいですが、
すぐ左が、土砂崩れ防止用のコンクリートの崖になっており、
(つまりこんなような)
落ちたらただでは済まないので、
落っこちないように注意して進みます。
細い道をしばらく進むと、
再び、登山用の階段が見えてきます。
今度は、この階段がしばらく続きます。
この階段、
かなり急な傾斜です。
登るのタイヘン!
結構疲れます。
階段の反対側を見下ろすと、こんな感じ。
足を踏み外したら、転げ落ちそうですね。
とにかく上だけ見て、階段をのぼっていきます。
しばらくすると、階段がなくなってしまいました。
しかし、管理用道路はまだまだ先です。
スマホのGPSをオンにして、Google Mapとにらめっこしながら、
管理用道路を目指します。
「道なき道」を進んでいるため、帰ってくるときに迷子になってはいけないので、
こうやって、自分が通ってきた場所に、目印としてビニールテープを
結んでおくことにしました。
(これが帰るときにとても役に立ちました)
Google Mapで、現在地を確認しながら進んでいくと、
やっとこさ、管理用道路へ出ることができました。
他のサイトでも紹介されている、通称「鉄塔ルート」を通ってきたつもりでした、
鉄塔には出ず、少しずれたところに出ました。
こんな感じで進んできました。
登り口から管理用道路まで、約30分かかりました。
ひとまず管理用道路に出ることができたのでホッとしました。
管理用道路をひたすら上る
「もうここまで来たら、あとは舗装された道を歩くだけだから楽勝でしょ!」
と思って、歩き始めたのですが、
ここからずっと上り坂なのです。
意外としんどい。
しかも、この鉄塔から川浦ダムまでは、約6kmあります。
平坦な道を6km歩くならいいですが、
坂道の6kmは結構こたえました。
管理用道路の入り口から1kmごとに、距離表示の標識が立っています。
鉄塔から少し歩いたところです。
しばらく進むとトンネルが出現
「一号トンネル」
と書いてあります。
トンネル脇には、滝が流れていました。
トンネルをこえてしばらく歩くと、
左手に上大須ダムが見えます。
今まで川浦ダムの位置を、Google Mapでしか見たことがなかったのですが、
川浦ダムは、上大須ダムと比べて、かなり標高が高いところに造られていることになります。
まだまだ上り坂は続きます。
やっと1.5km歩いて、5km地点。
すでに疲れています。
誰もいない管理用道路。
シーンと静まり返っている道を、ひたすら一人で黙々と歩いていたのですが、
なんとここで、
草刈り作業をしている作業員3名の方と出くわしました。
草刈り作業をされていた方は、シーテック(中部電力の関連会社)のヘルメットを
かぶっており、おそらく草刈りの業務を中部電力より委託された方々と思われます。
「よくこんなところに一人で来たね~」
「登山かね?ドウの天井まで行くの?途中まで車で乗せてったろか?」
と、話しかけてくれましたが、
「いえ、頑張って一人で先を行きます!」
と返して、挨拶をして先を急ぎました。
早く川浦ダムを見たい私は、この坂道を早歩きで歩きました。
しばらく進むと、こんなトンネルを発見。
柵がしてあって、中には入れませんが、「調圧水槽」と書いてあります。
声が良く響きました。
さらにどんどん先へ進むと、分かれ道に出ます。
まっすぐ進むと川浦ダムで、左へ進むと関方面へ行きます
(最終的には行き止まりになりますが)
だんだん標高が高くなってきました。
この辺りで猿の親子を発見。
ダムまでもう少し。
川浦鞍部ダム
そして、やっとこさ、川浦ダムの手前の
「川浦鞍部ダム」
へ到着!
使われていない休憩スペース。
きっとダムを作った当初は、一般のかたも自由に訪れることが出来るように
作っていたのだと思われます。
このダム、他の一般的なダムと比べて、一つ不思議なことが・・・
「どこが洪水吐?」
水を堰き止めてはいるものの、
どこにどうやって水を流すのか、
いまいちよく分からないダムです。
川浦ダム
川浦鞍部ダムから、いよいよ「川浦ダム」へ向かいます。
まずは、この「二号トンネル」を抜けます。
このトンネル、とにかく暗いです。
足元が見えないのが怖いです。
スマホのライトをオンにして、先を照らして少しずつ進みます。
続けて、「三号トンネル」出現。
「三号トンネル」を抜けると、管理用道路から10kmの地点。
そして、ここを曲がると、
ようやく
“幻”のダム「川浦ダム」が見えてきました!
ここまで、
山道を登り、管理用道路を6.5kmほど歩いてきました。
立派なアーチ式コンクリートダムです。
こんな立派なダムが、
人が立ち入らない山奥深い場所にあるなんて。
まるで、秘密の要塞みたいな感じです。
管理事務所はおそらく無人。
ダム湖です。奥に「川浦鞍部ダム」が少し見えます。
天端を渡った先に看板が。
この先に昔は遊歩道が作られてたみたいですが、
とても先に進める状態ではないほど、道がなくなってしまっています。
ここまで来るのに
山登りが30分、
管理用道路を速足で歩き1時間30分。
片道2時間かかりました。
以前より”幻”と言われていたダムを、
この目で見ることができたので満足です。
しかし、
「今来た道を、また歩いて帰らなきゃならんのだなぁ~・・・」
と思い、非常にゲンナリしてしまいました。
帰りは下り坂だったので、行きほど大変ではなかったですが、
坂を下っていたので、足のつま先が痛くなりました。
でも、なんとか無事に下山。
帰りも怪我なく無事に帰ってこれて良かったです。
川浦ダムへ行くのにあたり、持っていったもの
以下のものを用意して持っていきました。
まず、
○長袖シャツ・タオル
⇒長袖シャツは
虫刺されや、山登り時に腕が木や枝に引っかかって怪我するのを防ぐため。
○荷造りひも(ビニールテープ)
⇒山登り時の遭難防止として、道しるべをつけるため。
○パン・ポカリスエット等飲料水
⇒長時間にわたるため、水分補給と腹ごしらえのため
○熊よけのすず
⇒熊よけもそうですが、「人間がいる」ことを知らせるため。
(基本的に自分以外の人間はめったにいないはずですが、
中部電力関係者の方に出くわしたり、猟銃で狩りをして
いる方もいるかもしれないと思ったため)
○火薬銃(100均で購入)
⇒熊、猿、猪よけです。
○スズメバチジェット
⇒使いませんでしたが、熊よりも猿よりも、
私はスズメバチが一番怖いと感じます。
○ポイズンリムーバー
⇒使いませんでしたが、万が一スズメバチに刺されたとき用。
ドクターヘッセル 毒液・毒針吸引器 インセクト ポイズンリムーバー
持っていかなかったが、あった方が絶対いいもの
○衛星電話
⇒携帯電話の電波が一切届かないため、何かあった時の外部
との連絡手段として。
○懐中電灯
⇒暗いトンネルを通るときに必要。
最後に
今回、私一人で川浦ダムへ行きましたが、
事故等が起こった場合に助けが呼べる場所ではないので、
一人ではなく、複数人で行かれることをおすすめします。
また、「ドウの天井」や「左門岳」などの登山の途中で、
たまたま川浦ダムを訪れる方もいらっしゃいます。
あくまで、「登山」として訪れましょう。
コメント
私が16才の時にこの川浦ダムの建設に携わっていたので一度行きたいです。
コメントありがとうございます。
実際に建設に携わっておられたのですね!
着手1976年~竣工1995年
あんな大きなダムなので、かなりの期間をかけ
たくさんの方が苦労しながら
作ってこられたんだなぁと思います。
ブログに書いてある行き方は、結構な無茶をしたと思っておりますが、
せっかく舗装された管理用道路があるので、
いつか、この管理用道路が一般開放されて、建設に携わった方も含めて
みんなが自由に行き来できる時がこないかなぁと
願っております。
自分の行きたい、気になる所へなんとしてでも到達することにロマンを感じました!
お一人で行かれたとのこと、すごく尊敬します。
貴方の投稿を見て、ぜひチャレンジしなければ、と強く思いました。
コメントありがとうございます。今思うと結構思い切ったチャレンジだったかな~と思います。もし行かれるのであれば、十分な装備を用意して気を付けて行ってきてください。